転んだり頭を打ったり・・・。特に男の子はケガをする頻度や度合も大きい。
テーブルの下に物を落として、拾って立ち上がる時に頭を打つ・・・。
ヒヤヒヤするので目が離せない。離したすきに『うえ~んっ!』の繰り返し。
今回オーダーを頂いたお客様にも小さなお子さんがいらっしゃる。
お子さんの安全を考えて角は鋭すぎず丸すぎず。
木のぬくもりを感じることができる無垢のナラの板目のローテーブルを作ることに。
あまり丸みを意識して野暮ったいデザインにならないように心掛けた。
天板はスイツキというしっかりとした反り止めがほどこされているので
幕板はなく、すっきりと。
天板の丸み とても優しいカタチ
天板は板目の模様の強い部分と少ない部分を交互に接ぎ合せた。
この蝶のような形のものは『チギリ』といい、板の割れを防ぐ為に行うもの。
無垢の板は円柱だった樹を板にするので力がかかっていたのと反対へ動こうとする。
製材したあとに数年寝かせて乾燥させたり、人工乾燥器にいれたりして
できるだけ動かない状態にして使用するのだが、日本は四季があり気温差もあれば
湿度も変わる。
この板も美しい模様のナラだったがほんの少し割れが入ってしまった。
天板を他の板に変えるか悩んだ時に、『お客様がお子さんに無垢の木の良さを
感じるものを使わせたい』とおっしゃっていたことを思い出し
木は呼吸をしてわずかながら動くという事を感じてほしいと思った。
お子さんが成長し、ご両親が色んな思いを込めたローテーブルだと気が付いてくれる時を
永く待つことにしよう。ゆっくりと。