昨年の初夏に一人の女性が吉祥寺の店舗にご来店されました。
オリジナルの家具や作家さんの食器やカトラリー、そして照明も販売しているのをみて
オリジナルの照明の制作をしたいとのお話でした。
キーワードは『四季』。
デルビアンコ本社の美大ネットワークを通じてどんなものが制作可能かの模索のスタート。
『四季』の表現方法を2パターン提案させていただきました。
一つ目は照明のガラスセードに四季のモチーフをサンドブラストなどで表現する方法。
二つ目はガラスセードの外側にアイアンで四季のモチーフのものを表現する方法。
写真などのサンプルを用意してお客様がお選びになったのは二つ目のアイアンタイプ。
ガラスセードの担当はデルビアンコでもグラスや一輪挿しの作品を販売していた
山形県在住のガラス作家 大内学さんに吹きガラスで外側がブラストのセードを
作っていただき、アイアン装飾はhitin metals 佐藤江利子さんに依頼。
四季モチーフの細かな打ち目や立体感、配置、仕上がりの色味など何度も
サンプルを用意しながら打ち合わせを重ねました。
銅で作ったモチーフの配置決めもお客様立ち合いで決めていきました。
そしてお客様の10年間の想いが沢山詰まった照明が完成しました。
春のモチーフ『桜』打ち目も曲線もやわらかな優しいものに
夏のモチーフ『ひまわり』大振りで立体的な花とザラザラとした大きい葉を表現
秋のモチーフ『楓』 フォルム、葉脈は まるで紅葉の様が見えてくるような奥行のあるものに
冬のモチーフ『水仙』 葉には縦筋の打ち目が施され花びらはひと肌の様な繊細な打ち目
水仙の花の立体感には圧巻でした。
お客様のご希望通り照明を点けても点けていなくても楽しめるものになりました。
お客様との出会い、制作した大内学さん、佐藤江利子さん すべてに感謝します。
素晴らしいものは一つ一つの想いや努力から紡ぎ出されていくものだと改めて
感じさせられたものとなりました。ありがとうございました。